好きなもの目録 その220 TEXHNOLYZE

このブログの2010/07/13の記事の再録(抜粋、一部修正)を――

子供の頃は単純に、未来になれば進歩・進化するはず、
今よりきっとより良くなるはずって思ってたんですが、
文化的なモノって最盛期があって、
それよりいくら時代が進もうが発展しようが、
最盛期に作られた作品には遠く及ばないんですよ。
過去にしか名作はない……。
現在は平面で、過去は立体的で取捨選択されているんで比べようもないし、
思い出は美化されるし……。
んなわけで、私が情熱を持ってアニメを観ていた頃のアニメの思い出でも……。
今回紹介するのは、プログレでいうとクラウト・ロック、
アニメの極北!
もうこんなアニメ、二度と作られないんだろうなぁ。っていう、
万人にはお勧めしません、しかし好きな人にはたまらない『TEXHNOLYZE』を目録に。


標題:(保留)

分類:アニメ>テレビ>SF

■題名:TEXHNOLYZE

監督:浜崎 博嗣

キャラクターデザイン:
安倍 吉俊 (原案)
赤堀 重雄

作画監督:
恩田 尚之
濱田 邦彦
梅原 隆弘
日向 正樹


シリーズ構成・脚本:小中 千昭

絵コンテ:
山本 沙代
ところ ともかず
兼森 義則
平松 禎史
佐藤 雄三
松尾 衡
小島 正幸
平尾 隆之


声優:(保留)

発表年:2003年

製作国:日本

評価:C ★★★
(アニメの評価は辛めに付けているので、
C だからといって評価が低いわけではありません)

■内容・雑記:
『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビ放送以降の数年間、
『エヴァ』が当たったっていうんで
『エヴァ』(や『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』)みたいなアニメ
――謎や哲学、電脳世界や精神世界、
一見深そうなアニメ、捻ったアニメ、
異様な設定、異様なメカデザインのロボットアニメなどなど
今では絶対企画が通らなそうなアニメが制作されたっす。
私は、その頃のアニメをリアルタイムで観ていたので
思い入れもあるし好きなんですが、
『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』などの登場により、
アニメの流行が完全に日常系萌えアニメの方にシフトしちゃって、
それ以前から、『エヴァ』や『攻殻機動隊』系の硬派(と思われる)アニメって
人気も売り上げもそれほど無かったことも災いして制作されなくなったっす。
『エヴァ』が放送された1995年から
『プラネテス』が放送された2004年くらいの十年間が私の好きだったアニメの時代。

最近のアニメに嵌れない、どーもついていけないって感じなんで
久しぶりに『TEXHNOLYZE(テクノライズ)』を全話観てみました5、6年ぶりに……。
(※この記事を書いた当時のことです。もう7年くらい観返してないっす)
いやぁ止まらない、面白くていっきに観てしまった。
この感覚……最高!

『テクノライズ』を本放送時、
どのくらいの期待で私が観始めたのかもう記憶にないですが、
安倍吉俊がキャラデザやっているから観ようと思った。かな
それより『テクノライズ』の前番組が『GAD GUARD(ガドガード)』で、
そちらの方が私は期待していたっす。
リアルタイムで観たり(夜中の3時頃なのに……)
『ガドガード』と『テクノライズ』を続けて録画したビデオを翌朝以降に観たりしてたかなぁ。

『ガドガード』と『テクノライズ』の第一話を観た印象は、
「おっ『ガドガード』面白そう! これは期待大かな」
そして『テクノライズ』の印象・感想は……最悪でした。
「なんだこのオナニー・アニメはっ! 制作者の独りよがりなんか観たくない、
視聴者置いてきぼりで自分達だけが満足できればいいってか」みたいな
(『ガド』と『テクノ』の評価が最終的には逆転するとは、
その時は思ってもみないのであった)

なんせ第一話のAパート、一言も台詞が無い……。
「ハァハァハァハァ……」みたいな喘ぎ声のみ。
Bパートでやっと台詞が出てきても、台詞数少ないし……。
いったいどういう状態で、どういう人間関係、物語なのかまったくわからない。
ようは物語の中に入れない、感情移入も出来なければ、
第三者として、「ほぅ、そういうことか」ってな概観もわからない。
このアニメ、初め視聴者を突き放してるんですよ。
「お前らオレについてこれるか?」みたいな
んで、騙されたのか奇特なのか暇人なのか脱落しないでついていった者に
最高の世界を見せてくれる、みたいな。

前番組が『ガドガード』で、それを録画するついでに『テクノライズ』も。
話は最悪だけど、キャラデザや作画は良さそうだから
(特にドクのキャラが私好みで)
ってな後ろ向きな理由で観続けて……、
良かった……観続けて、良かった!……吉井さん最高ぅ!!

物語は、奈落の底――流9洲(東京・池袋)を舞台に、
不良グループやヤクザ組織、原理主義者集団、
ラカン(ダラーズ)
オルガノ(黄巾賊)
救民連合(罪歌)
の三つ巴を、互いに殺し合わせようと画策する
地上から穴を降りてきた男・吉井一穂(折原臨也)が、
テクノライズされた櫟士(平和島静雄)に殴られる。
ってのが前半。うそ
久しぶりに『テクノライズ』観たら、『デュラララ!!』に似てるなぁ。とか思って。
バランスをなんとか保っていた三つのグループを、
裏で糸を引き、互いに争わせようとする人物なんかが。
でも、我らが吉井さんは、臨也みたいなヘタレで裏でコソコソ動くんじゃなく、
行動力・実行力抜群で、祭り実行委員長として最高!
アノ地上のどこで、あの戦闘力を磨いたのか謎。
ミリタリーマニアなのか?
先輩の咲村さんは、鉄ちゃん(鉄道オタク)だったし。

このアニメ、ツカミが最悪っていうか変なんですよね。
物語が動き出すのが遅いっていうか
(全話観た後だと、それが最良だとわかるんですが)
主人公の櫟士(いちせ:読めん)が、ヤクザの情婦の恨みから
右腕と左足(だったかな)を切り落とされるんですよ。
そしてテクノライズっていう義肢を付けるようになるんですが。
普通のアニメだったら、第一話のAパートで手足を無くし、
Bパートでテクノライズされて次回へ――
ってな感じになると思うし、(テクノライズされるまで4話もかかる)
不具になり明日をも知れない自分に、高価なテクノライズを施してくれた
ドクに感謝すると思うんですが、まったく逆。
感謝どころか、テクノライズを憎悪してるし。
最初の5、6話まで、それ以降も主人公は台詞よりも呻き声や喘ぎ声の方が多いし。
脚本にはなんて書いてあるんだろ、櫟士:(呻く)とか(叫ぶ)とか?
逆に声優大変そう。
んで、我慢して(ドクを目当てに)観ていると、
7話目くらいから祭りが始まって最高潮へ。
それまでは、祭の準備段階だったんですね。
んでんで最高にカッコイイ祭の仕掛け人・吉井さんが退場しちゃって後半へ。

後半も、詩的で絶望で暗くて重くて残酷で美しくて、
もうなんか、シリアスを通り越してギャグなんですよ。
ラカンのハル(アフロ)が、ラカンのリーダー・シンジに
「今度会うときには、オレは変わってる」
とか言ってシェイプスになって登場するのとか、高等なギャグとしか。
シェイプスってのは、テクノライズを全身に施したみたいな
チョッと違うか……。
頭(顔)以外をサイボーグにするんですが、それがなんか顔と身体のバランスが悪い。
(わざとそういうデザインにしていると思いますよ、醜悪なモノ、ギャグとして)
石ノ森章太郎の描くロボットというか、
『21エモン』のイモ掘り用ロボット・ゴンスケというか、
『ラピュタ』のロボット兵の身体に、人間の顔だけを強引に嵌めたみたいな。
子供の頃、違う人形やロボットの顔と身体を強引に嵌めて遊んだみたいなの。
古波蔵とか遠山とか、救民連合の乾とか
味のあるキャラがシェイプスになって登場してくるのが、
もう面白くて面白くて……。
しかも、なぜかシェイプスになった主要キャラは全身装甲で守られているのに、
マスク(フェイスガードかヘルメット)を外し弱点を露出。
お前は『バスタード』の合体魔道王Ωアビゲール一世かっ!

吉井さんがいた地上の世界は幽霊の世界。
アメリカの田舎町を思わせる世界で万年初夏。
庁舎に向かう道を『赤毛のアン』のアン・シャーリーが通ったら、
「よろこびの白い道」とか名づけそうなんですが、
実態は人がいるようでいない、なんとも不安で不気味な滅び行く世界。
ジョルジョ・デ・キリコの絵画の建物や風景なんかの空気感だなぁ。
(エドワード・ホッパーの影響とか)

ヒロインの物見(近い未来を見ることが出来る)の少女・蘭が、
いつも白狐のお面を付けているのをみると、
なんかつげ義春の漫画とか、『Dr.スランプ』を思い出すんすよ。
お面は祭で売っているモノ。祭好きだから吉井さんを手招いたのか。うそ
救民連合の指導者・木俣のキャラデザは、アーナルト・ブストデモネルガー。
『テクノライズ』のCM帯でナースウィッチ小麦ちゃんが、
お気に入り人物として吉井さんをあげたり、
フジテレビの都合なのか、最終近くが放送されなくて
20話だったか、アニメイトTVでストリーミング放送観たなぁ……。

肉体欠損、剥き出しの暴力、静かに滅びに向かう世界を描いたアニメって、
そう無いよなぁ。
人間て失ってみて、初めてそのモノの価値がわかる。
病気や怪我になって、初めて健康の素晴らしさを知る。
暴力の蔓延する世界だから、平和な世界に憧れる。みたいな。

ヤクザ・アニメとかも言われますが……。
絵・画面のつくりとか色彩が実写映画的なんですよ。
ドクの処置・病室やクラースの内部とか
キューブリックなんかの近未来映画のようで。

肉体と精神(心)では、
普通、人は、精神の方を肉体の上に置くと思うんですが、
肉体を伴わない精神なんてナンセンスであり、
肉体・暴力こそが生きる力なんだ。みたいな
障害や病気を持った身体と、健康な身体に、
まったく同じ頭脳が付くとすれば、
やはり頭脳・精神は、肉体の状況に左右され影響され
心が歪んだり、または神にも近い超人たる精神を持つに至るかも。
まぁ、最終的に『テクノライズ』の言いたかった事は、
「半端はダメだ」って事と、
権力獲ったら、まず鯉を買う事……かな。


ルクスのバー『龍の巣』では、以下のようなイベントが行われている。
第二日曜日は褌イヴェントのため
必ず褌一丁に黒狐のお面を付けていただきます。
『TEXHNOLYZE』と聞くと
「チョッと観るのに勇気がいる」
という”ウワサ”を耳にしますが、
どうぞ気軽に覗いてみて下さい!
笑いがあり、淫靡な雰囲気ありの不思議なアニメです。
(※この記事を書いた当時の、何かのニュース文章の改変)

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